――全体的にesportsに注目している人も多いと思うのですが、ゲームにあまり興味はないけれど盛り上がっているから注目している、という方に向けてメッセージをいただけますか?
綾野:僕らはesportsをゲームというよりはスポーツとして見ています。選手たちについてもアスリートとして見ているんですね。
esportsのeはあるものの、基本的な魅力は普通の、運動のスポーツと全く変わらないと思っているので、ゲームに全然興味がなくても、魅力的な選手による因縁などの人間ドラマ、人を取り巻くストーリーをぜひ楽しんでほしいです。
単なるゲーム大会ではゲームの上手さがどうだったか、大会の結果はどうだったか、ということに留まるのですが、これがesportsとなると選手個人そして、選手をとりまく人間ドラマなどゲーム外のところが注目され、かつスポットを浴びやすい環境になってくるんですよ。
例えば「なんとかゲーム大会」でとあるゲーマーが優勝したとします。これまではニュースとして流れて終わりでした。
しかし、esportsが広まればそういった状況から一変し、優勝した選手にスポットライトが当たり、次に参加する試合や、日頃の練習方法にも注目が集まってきます。これは運動のスポーツシーンに近いアプローチになるのかなと思うし、これからもどんどん魅力的な人やドラマ・ストーリーが発生する環境を作っていきたいなと思っています。
――今後もよりメジャーになっていくためにですね。
綾野:そうです。よりメジャーになっていくように。それはいい面だけでは無いかもしれないけれど、選手たちがプライベートで「結婚しました!」報告するだけでも、ニュースになるような時代になってきつつあるので、それを加速していって選手たちの動向がより注目されるように業界全体を盛り上げていきたいと思っています。
ですのでゲームに全然興味なくても選手から注目して入ってくれるだけで満足ですね。
――改めてカプコン「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」をこれからご覧になる方に向けて注目ポイントをお聞かせください。
綾野:まず好きな選手を、クラス問わずに見つけるところが注目してほしいポイントです。
自分のプレイスキルに近しい選手はおそらく魅力的に感じるし、応援しやすいと思うので、自然と自分の目指しているクラス。あるいは初心者か中級者かで注目の選手が絞られるとおもいます。
なのでまずは注目の選手を見つけてもらって、そこからゲームに入ってもらってもいいかなと思っているんです。気になる選手が使っているキャラクターやゲーム性を理解してもらえればいかにプロ選手が巧みなプレイをしているのかわかってくるので。
『ストリートファイター』を意識してもらうのはその後でもかまわないと思っています。まずは人間の魅力、選手たちの魅力を見て欲しいなと思います。
――プロ選手がいて、ハイクラスの方がいて、ビギナーの選手がいて。特にビギナークラスは今まで見たことがなかったようなドラマを感じることができました。そのあたりも見てほしいですか?
綾野:そうなんです。アーカイブもお時間あれば見返してほしいんですが、特にビギナークラスで見てほしいなと思うのは、彼、彼女らは本当にゼロからスタートしているんです。
あるいは『ストリートファイター』を聞いたことがあるくらい、あるいは「ストリートファイトって路上で喧嘩することでしょ」ってゲームという認識すらしていなかった方たち、とくに1節、2節にゲストとして入られている「比嘉 延理(えりちょぱ)」さんなどもそうだと思うのですが、そういう方たちが練習してうまくなって、負けて悔しくて泣いちゃうというドラマがありましたが、それが面白いんですよね。
その因縁が今回のカプコン「ストリートファイターリーグ powered by RAGE」全体で垣間見れると思うんですよ。
ハイクラスにはハイクラスの、エクストリームクラスはエクストリームクラスなりの、人間ドラマがあるので見てほしいですね。
そこからさらに興味があったら「CAPCOM Pro Tour」やほかの大会を見てほしいと思いますね。