『ストリートファイターⅢ 3rd STRIKE』の世界で長らくトップに立ち続けた男が、『ストリートファイターV』という新たな舞台で、今、何を思い戦い続けているのか。その真っ直ぐな眼差しの先には、偉大なライバルたちの存在があった。

MOV選手
撮影・長澤紘斗
MOV
Team GRAPHT所属。『ストリートファイターⅢ3rdSTRIKE』で圧倒的な実績を残し、現在は『ストリートファイターV』をメインに活躍する。twitter:@movmovmov

駄菓子屋ゲーセンが格闘ゲーム対戦の原点

ー一子供の頃はゲームで遊んだりしていたんですか ?

MOV:小学1年生の頃は、学校から帰って友達の家でスーパーファミコンとかをやったりはしたんですけど、ちょうどその時『ストリートファイターⅡ」』(以下、ストⅡ) も大ブームだったんです。それで「ストⅡ」 にどっぷりハマりましたっていったら話は早いんですけど、非常にひねくれた子供でして(笑)。

持ち主の子には絶対勝てないじゃないですか。まず波動挙とかも出せないし。今思うとその友達、小学1年生にしては驚異の上手さで、ラスボスのベガのサイコクラッシャーを見てから昇竜挙で切るっていう戦法を使っていて(笑)。

そんなのに勝てるわけがなくて、「超つまんないし、こんなゲーム好きでもないし、羨ましくねーし」と負け惜しみを言って、もう二度とやらないってなったんです。そこで1回ストリートファイターとの縁は終わって。始まってもいないけど(笑)。

ー一(笑)。その後っていうのは。

MOV:スーファミ、本当は羨ましかったんですよ。でも「別に羨ましくねーし」って啖呵を切ってしまった手前、スーファミは買ってもらわずに、ファミコンを買ってもらったんです(笑)。

ーーあえてファミコンを(笑)。

MOV:小3の誕生日かなにかでファミコンを買ってもらって、ソフトは「マリオ3」しかなかったんですけど。ついに自分のゲームが手に入ったのが本当に嬉しくて、学校から帰ってずっと「マリオ3」 をやっていました。

ーーひたすら1人で?

MOV:友達の家に遊びに行ったりとかもしていましたけど、自分の家にいる時はひたすら「マリオ3」をやっていて、それをみた親が、こいつはダメだとなって。何かを与えると熱中し過ぎちゃうから、与えるのは危険だってなって。

ーーそれだけしかやらない(笑)。そこから格闘ゲームとの出会いは?

MOV:家族旅行でスキーに行ったときに、スキー場のゲームコーナーで『バーチャファイター2』(以下、バーチャ2)を見て、これはやばいってハマってしまって。

といっても1プレイ200円だし、地元にゲーセンは無かったし。当時横浜に住んでいたんですけど「バーチャ2」が置いてある最寄りがシーパラダイス(笑)。そこまで自転車で行ったりもしましたけど。

ー一それは1人用をやりに行くみたいな感じで?

MOV:1回200円なので、対戦が怖くて仕方なかったんです。乱入されたら2、30秒で終わっちゃうんだから(笑)。行ってコンピューター戦を1回だけやって、4面ぐらいで負けて帰ってくる。

もう少し早く生まれて、自由にできるお小遣いがある年齢だったら「バーチャ2」 にどっぷりだったと思うんですけど、自分で遊べる範囲の格闘ゲームはそれではないとなって、駄菓子屋のゲームコーナーに行くようになっていきました。

ーーそこでも格ゲーを?

MOV:『X-MEN VS. STREETFIGHTER』 (以下、Xスト)ですね。やっぱり子供には格好良く見えるじゃないですか。ちょうど今、ドラゴンボールが出て盛り上がっているんですけど、「Xスト」ってドラゴンボールの世界でやりたかった、相手を空中に浮かしてコンボとか、派手なビーム砲が出るとかを最初にやったゲームなので。

これならバーチャじゃなくていいやと飛びついたんですけど、そこの駄菓子屋ゲーセンにはしのちゃんっていう主がいたんです。同じ小学校の同じ学年だったんですけど、しのちゃんが強くて、彼を倒さないと、なけなしのお小遣い50円が・・・・・・。しかも、しのちゃんの戦法が本当に残酷で、一生画面端でビョンビョンバックジャンプをして、近寄っていくと後ろに投げてからの永久コンボ。

だから50円が1分でなくなるっていうレベルじゃなくて。近寄っていって投げられた瞬間に50円がなくなるみたいな(笑)。そこでしのちゃんをどうにかしないといけないってなったんですよ。それが格ゲーの原点だなと思って。

ーーそこでどういった対策を?

MOV:まずしのちゃんと同じことは出来るようになろうと思って・・・

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