国内外の大会で数々の優勝を飾り、東大卒のプロゲーマーとしてメディアにも頻繁に取り上げられるなど、人気と実力を兼ね備えたときど選手。

ときど選手

世界を股にかけて活躍するときど選手が、同じく世界的なメディアアーティストの真鍋大度氏と師弟関係を結び、「ストリートファイターV」(以下、「ストⅤ」)の奥義を指南。

5月26日(日)に大阪で開催されるesports PRフェス「GAME CENTERS IN OSAKA」で、「ストⅤ」のエキシビジョンマッチに参戦する真鍋氏をサポートすることになった。

esports pressでは、真鍋氏に初めての指導を終えたばかりのときど選手に、海外の格闘ゲーム事情、若手プロゲーマーについて、最近のeスポーツについて思うことなどを語ってもらった。

――人に教えるのは得意なほうですか?

ときど:過去に何度か人に教えたこともあるんですけど、どちらかというと苦手ですね。僕自身がまだまだなのに、果たして人に教えていいのかという思いが根本にあります。

ただ真鍋さんは僕と同じく青春時代にゲームセンターに通っていたと聞いていたので、共通体験があることで教えやすさはあるのかなと。

――逆に人からゲームを教えてもらうことはありましたか。

ときど:ありました。「ストリートファイター」に限らず、いろんなゲームをやってきたので、新しいゲームを始める時は、その道のスペシャリストに教えてもらうケースも多かったです。

――独学と比べて上達する速度も違うのでしょうか。

ときど:違いますね。ゲームによって、どこが重要なのか、どういう視点で捉えればいいのかなど、それぞれの違いがあるんですよ。そのゲームに時間をつぎ込んで、経験を積んでいる方に教えてもらうのは勉強になります。

――「ストリートファイター」以外のゲームを経験してきたことは、今に活きていますか。

ときど:活きていますね。僕は格闘ゲームしかやらないんですけど、他のゲームをやり込んでいる方には、「ストリートファイター」しかやっていないプレイヤーにはない視点があって、それが参考になるんです。

――具体的にはどういう部分ですか。

ときど:戦略など、いろいろあります。たとえば画面の中で言うと、実は相手キャラよりも、画面の上を見ていたほうが良かったりするんです。上を見ると良い状況になるということは他のゲームをやった時に知ったので、いち早く「ストⅤ」にも取り入れることができました。

――それは「ストⅤ」だから活きたということですか?

ときど:もしかしたら今までの「ストリートファイター」シリーズでも活きたかもしれません。今は大勢の人が「ストⅤ」に真面目に取り組んで、時間をかけてプレイしているので、浅い部分の小手先のレベルは大体できていると思うんです。その中で、他のゲームの視点を取り入れて試してみることが新たな発見に繋がるんですよね。

――今回の「GAME CENTERS」もそうですが、最近は大会以外でもeスポーツのイベントが増えていますよね。

ときど選手

ときど:※「カプコンプロツアー」というのをやっているので、僕らの主戦場って海外なんですよ。なので日本に帰国した時、こういうイベントが国内でも増えているなって実感できるのは、僕に限らずプロゲーマーにとって嬉しいことです。

「ストⅤ」のプレイヤーはアメリカのほうが多いので、真鍋さんのように影響力のある方にご協力頂いて、もっと日本国内で「ストⅤ」を盛り上げていきたいですね。

※「カプコンプロツアー」・・・「カプコンプロツアー2019」(Capcom Pro Tour 2019/CPT2019)とは、『ストリートファイターVアーケードエディション』によって行われる競技格闘ゲームのプレミアリーグ。1年を通して世界各地で開催されるポイント制の大会に強豪プレイヤーが参加、年末に開催される「CAPCOM CUP」の出場枠32名を巡って争う。 公式サイト:https://capcomprotour.com/

――日本と海外で格ゲーのプロゲーマーの違いは感じますか?

ときど:海外は若手で強いプレイヤーが大勢いますけど、日本はおっさんばかりが真面目にやっています(笑)。ゲームの取り組み方にしても、日本は「これしかないんだ!」ってガチな人が多いですけど、海外は「これで一旗揚げてやるぜ!」って軽いノリの人が多いように感じますね。

――そうしたスタンスの違いは、どうして生じたと分析しますか。

ときど:eスポーツと呼ばれる前から、すごく真剣に取り組んでいた人たちが日本にはいますけど、当時はゲームに打ち込むってことが、あんまりいいものだと思われていなかったのが大きいんじゃないですかね。

僕自身、前は今ほど真剣に取り組んでいなかったんですけど、上の世代の影響を受けて、ちゃんとやろうって思ったクチです。

――上の世代と意識の違いは感じますか?

ときど:僕らよりも上の世代の人たちは、世間的に認められない中で、辛い思いをしてやってきたのかなと思うんです。だからこそ自分の中でルールを決めて、哲学を持ってプレイしているなって感じますね。

――めちゃめちゃ上の世代はストイックなんですね。

ときど:今と違って単純に「勝てばいい」じゃないし、周りから評価されないんだったら、自分の中で格闘ゲームを崇高なものとして高めないと、続けられなかったと思うんです。そこが僕らの世代とは違うところなのかなと思います。

でも、そういうガチな流れに、若い人たちは気持ち良く乗れないのかなと感じます。とはいえ新しい世代にも格闘ゲームをやってもらわないとすたれちゃいますからね。

――ただ「ストⅤ」では日本の若手選手も台頭していますよね。

ときど:一人ポーンと強い若手が出てくると、「俺にもできるかも」って競技人口が増えていくと思うので、もっと頑張ってほしいです。そういう影響を与えることで、その若手の自信にも繋がりますしね。

格闘ゲームをやっている試合自体の時間って、すごく短いじゃないですか。その短い時間にフルのパフォーマンスを出すためには、自信が大切だと思うんです。その自信を持てば、もっと上に行けると思うんです。もちろん僕らの世代は、そうさせないように頑張る訳ですけど(笑)。

――若手には、もっとハングリー精神が必要ということでしょうか。

ときど:僕自身、自分なりに真剣にやっていたつもりでも、昔の取り組み方ってゲームを舐めてやっていたなって思うんです。実際、プロになった後も、そういう思考回路を改めていなかった。

でも大会に限らず、いろんな局面で何度も痛い思いをして、より真剣に取り組むようになったんです。ただ最近はゲーム業界が上り調子なので、痛い思いをするのも難しいんですけど。

――日本は世代に関係なくプロゲーマー同士の親交が深いですよね。

ときど:よく一緒に練習しますからね。

――海外はどうなんですか。

ときど:以前はそういう繋がりは希薄だったと思うんですけど、最近は集まってやっているみたいです。ただ東京はプロゲーマーが密集していますけど、海外は各地に散らばっているので難しいでしょうね

――ネット対戦と顔を合わせて練習するのでは違うものですか。

ときど:やっぱり違いますよね。情報交換はもちろんですけど、「こいつも真剣にやっているんだな」って熱が直に伝わってくるので刺激になります。

――大会にしても画面上の戦いだけじゃないですもんね。

ときど:画面の外で相手にプレッシャーをかけ合うところもありますからね。

――プロゲーマー同士が隠さず手の内を見せ合うのもすごいことだなと思います。

ときど:今は派閥みたいなものがないですからね。たとえばスポンサーさん同士が犬猿の仲とかだと変わってくるとは思いますが(笑)。

「このゲームを極めたい!」というプレイヤーにとっては、積極的に情報交換して高め合いたいし、今はそれができる幸せな時期だなと思います。ただ将来的に、もっと上を目指すとなると、そうも言ってられなくなるのかなって気持ちもあります。応援してくれている方たちの手前、公の場でライバルと仲良く練習するのはどうかなと。

――最近はアメリカ勢がキャラクターの「G」を揃って使い始めていますが、これも情報の共有があるように思います。

ときど:「G」の攻略には困っているんですよ。去年からアメリカ勢は使っていますけど、最初は鳴かず飛ばずだったのに、今となっては脅威です。でも、国によって色があっていいですよね。それに対して日本勢はどうしようと考えるのも面白いです。

――最後に真鍋さんの師匠として、「GAME CENTERS IN OSAKA」への意気込みを聞かせてください。

真鍋氏に指導をするときど選手

ときど:真鍋さんには勝ち負けよりも、「ストⅤ」を面白くやって頂くのが僕の目標です。世界中を飛び回って多忙な方なので、限られた時間で練習して、当日は楽しくプレイしてほしいですね。

取材・文:猪口貴裕

イベント詳細

「ストリートファイター」と豪華メンバーで送るeスポーツPRフェス「GAME CENTERS」が始動!

対戦格闘ゲームというジャンルを確立し、「eスポーツ」の代表的なゲームとしても世界中で人気を博している「ストリートファイター」シリーズ。

誕生から30周年を経て、あらゆる世代を魅了した「ストリートファイター」を愛する出演者と共に、音楽、グルメ、コスプレ、たくさんの魅力を詰め込んだ「GAME CENTERS」をカプコンが本社を置く地元大阪で5/26(日)堂々開催!

チケット

ALL STANDING TICKET(+1D)

▼ADV TICKET
【Part1】前売入場料:3,000yen
【Part2】前売入場料:3,500yen

▼DOOR TICKET
当日入場料:4,000yen

▼SFV COSPLAYER PHOTO SESSION TICKET(コスプレ撮影会券)
【1部】:10,000yen 【3部通し】:25,000yen

※別途入場券が必要となります

チケットサイト:https://gamecenters.peatix.com/
チケットぴあ:Pコード(152221)
ローソンチケット:L-CODE(52166)
イープラス:https://eplus.jp/

公式サイト:GAME CENTERS IN OSAKA
チケットサイト:https://gamecenters.peatix.com/