これだけ知ってれば大丈夫!「League of Legends(以下、LoL)」の大会を観戦する時の盛り上がりポイントや楽しむコツを紹介!実況者・解説者イェーガー氏&リクルート氏(2019年の日本リーグ「League of Legends Japan League(以下、LJL)」にてキャスターを担当)にインタビュー形式で教えて頂きました。
目次
◆チャンピオン選択画面のみかた
選択直後の解説者の発言に注目!
ーーLoLの観戦をするときに最初に苦労するのはチャンピオン選択画面です。チャンピオン数が多く混乱してきます。初心者にとっては退屈に感じてしまうこともあるかもしれませんが、何か良い方法はありますか?
リクルート:選手がピックした時点での、解説者の説明に注目してもらえると見やすいと思います。
限られた時間での最低限の説明にはなりますが。下記のような2つ。
・どのタイミングから活躍するタイプのチャンピオンなのか?
・チーム内の他のチャンピオンとの相性はどうか?
リクルート:これらのような試合展開にとって重要な情報は優先的にお話しています。ただ、各チャンピオンのスキルの特徴などを説明する時間を割くのは難しいので、事前にゲーム内でチャンピオンを使用しておくことで、より理解が深まると思います。
ーー全てのチャンピオンをひと通りプレイするのは難しいですが。ゲーム内では各チャンピオンのスキルを動画で確認することができます。あれらをチェックしておくのも有効なのでしょうか?
イェーガー:そうですね。スキルを細かくチェックするのは大変なので、チャンピオンの特徴(タンク、アサシン、メイジ等)だけでも確認しておくという手もあります。ただ、LoLではその特徴とレーン*適正が紐づくわけではありません。試合中にどのような役割を果たすのかについては、実況者・解説者が補足していくことになります。
*レーン:マップ上中下にある3本の道のこと。上(TOP)、中(MID)、下(BOT)、道と道の間にあるジャングル(Jungle)の4つに分かれている。
参考:例えばタンクタイプのチャンピオンは耐久力が高く、機動力が低い。チャンピオンの特性のみで適正ロール(役割)が決定するわけでは無く、チーム内での兼ね合いによって様々なロールでの活躍の可能性がある。
参考:ゲーム内では全チャンピオンのスキルに関する性能やモーションを確認することができる。
1人の選手に注目しよう
ーーとはいえ140体以上のチャンピオン。全てのチャンピオンの特徴を確認するのは大変です。フィジカルスポーツのように選手側に注目することも重要なんでしょうか。
イェーガー:そうですね。好きな選手に注目すると見やすいです。好きな選手の得意チャンピオンを調べておいて、今回はどのチャンピオンを使用するのかという点に注目しましょう。試合中も選手10人全員の動きを追いかけるのではなく、好きな選手に集中して観ると良いです。
参考:韓国のプロプレイヤーFaker選手は国内外問わずファンが多い。
ーー所属チームのHPには選手のプロフィールやSNSが公開されているので、選手のことを知ることも簡単にできますね。普段からプレイ習慣のある方は、自身がプレイしているロールの選手に注目することが多そうです。
イェーガー:そうですね。また、好きなチャンピオンを1体見つけても良いです。ユーミ等は見た目が人気のチャンピオンです。「姿が可愛い!」とか「カッコいい」という理由で選んでも良いと思います。
参考:可愛らしい見た目のユーミは女性を中心に人気のチャンピオン。外見だけでなく仲間にくっついて移動する戦い方がとても可愛い。
◆試合中のみかた
集団戦に注目せよ!
ーー試合が始まると画面の移り変わりも激しく、どこを見れば良いか難しかったりします。ココに注目!という分かりやすい盛り上がりポイントはありますか?
リクルート:とにかく集団戦を見て下さい!重要な攻防の1つであるオブジェクト(タワー、ドラゴン、バロン等)の取り合いにおいても、基本的には直前の集団戦に勝ったチームが優勢になります。
イェーガー:実況者目線としても大きな見どころです。集団戦はキルが起きやすいので、どちらのチームが有利に立ったのかが見た目でも分かりやすいです。
前半戦は14分まで!
ーー序盤は集団戦も起こりにくいですが、各レーンのタワープレート*の減った枚数が優劣の判断基準になる気がします。これも1つのポイントになるのでしょうか?
*タワープレート:開始14分まで各タワーに設置され、一定のダメージを与える・破壊することでゴールドを獲得できる。
イェーガー:そうですね。特に序盤は「タワーの体力を削りました!」と実況しても味気ないので、プレートの枚数差は試合状況を伝えやすいです。また、14分のタワープレートが消えるタイミングは序盤の区切りとしては非常に分かりやすいです。タワープレート消失のタイミングで『序盤の個人戦は終わり、ここから徐々に集団戦が始まっていく』と思って頂いて大丈夫です。
・前半戦:14分経過前(タワープレート倒壊前)
各レーン上での個人戦が中心となる。
・後半戦:14分経過後(タワープレート倒壊後)
集団戦が増えていく。
イェーガー:さらに観戦に慣れてくると、タワープレートの差によるゴールド差を整理して後半戦を観ていくと良いと思います。
ーーなるほど!タワープレート前後(14分)の区切りは非常に分かりやすいです。
リクルート:少し余談になりますが。タワープレートは注目ポイントではありますが、解説する上で少し厄介なシステムでもあります。こちらのタワープレートを1枚壊されると相手チームに特別ゴールドが入りますが、この獲得ゴールドは相手のタワープレートを破壊することでしか取り返すことができません。よって、タワープレートで発生したゴールド差をタワープレートで取り返そうとすると14分以内に行うことになります。
ーー14分経過後、そのゴールド差は埋まらない。それほどまでに重要な要素なんですね。解説時には様々な数値情報を整理してお話されているかと思うので、常に埋まらない差があるのは気になりますね。
リクルート:そうですね。これは観戦時のポイントにもなりますが、LoLにおいて“オブジェクトの交換”は重要な考え方です。自軍のTOPタワーが折られそうならそれを守りに行く選択もありますが、反対の敵軍のBOTタワーを折りにいく等、常に相手チームと差がつかないようにプレイすることもあります。
参考:TOPタワー(画像左)が破壊されそうなので、BOTタワー(画像右)を攻めて、オブジェクトの交換を行う。
実況者の問いかけに注目!
ーー盛り上がりポイントや、観やすくなるコツが分かってきました。観戦にも少し慣れてきて、『もっと深く楽しみたい!』と思った方はどのような点に注目すれと良いでしょうか?
イェーガー:試合中に実況者が解説者に質問をする場面があります、その直後の解説者の説明が重要です。その質問タイミングは試合のターニングポイントです。実況者は分からないから質問しているのではなく、その状況で重要な場面だと判断したので解説者と一緒に整理しているのです。
◆さいごに
ポップコーン片手に気軽に観よう!
ーー本日はありがとうございました。LoLのルールや戦術は奥深いですが、直感的に楽しめる部分も沢山あると分かりました。他のフィジカルスポーツのように、LoLの観戦はもっと気軽に観ても良いぐらい楽しいです。 会場ではピザやコーラも売っていますし、ポップコーン片手に映画を見る感覚でも楽しめます!
リクルート:気軽に観て盛り上がって頂くのも十分に素敵な楽しみ方です。実は海外のリーグではLoLの観戦習慣が根付いており、アリーナに観戦しに来て寝てる方もいらっしゃるんです。それくらいリラックスしてご覧になっています。
ーー驚きです。わざわざ会場にきて寝ているんですね。でも日常的な視聴習慣がついたスポーツの観戦では稀にあることかもしれません。スポーツ観戦はあくまで娯楽なので、肩に力入れ過ぎるのは良くないのかもしれません。
イェーガー:我々のような実況・解説は、寝ている方々を起こしたり、一時的に注意を外している方々を試合に引き戻すのも大切な仕事です。
ーー確かにサッカーや野球の試合観戦も全員が常に画面やコートを観ているわけではなく、点数が入りそうな瞬間に実況が盛り上がります。そのタイミングで試合に目を向けることで劇的な瞬間に立ち会えたりします。
リクルート:LoLにもそのような盛り上がりポイントは多く、それが集団戦だったりオブジェクトを巡る攻防といえますね。そのポイントでは多くの方が注目するので、何が起きたのかを説明するのが解説の役割です。
イェーガー:LoLを初めて観る方にも楽しんでもらえるよう、僕はフィジカルスポーツの実況を参考にしています。昨年のラグビーワールドカップ2019は非常に盛り上がりました。この実況ではキャスターの方がラグビーのルールが分からない人の為にルール等の説明を入れていました。このような工夫は自分の実況にも取り入れていきたいと思っています。