先日行われたオンラインカードゲーム『Shadowverse』の世界大会「Shadowverse World Grand Prix 2018」。


この大会は優勝賞金100万ドル(日本円にして約1億1000万円)と、国内espotsでは類を見ない規模で開催された大会でした。そこで見事優勝を果たしたのは、よしもとLibalentに所属するふぇぐ選手。

ふぇぐ選手

今回esports pressではそんなふぇぐ選手に大会での心境やShadowverseとの出会い、現在のesportsシーンについてインタビューさせていただきました。

「Shadowverse World Grand Prix 2018」の優勝について

――ご存知の方も多いかと思うのですが、ふぇぐ選手の自己紹介をお願いいたします。

ふぇぐ選手:よしもとLibalentというチームに所属し、「Shadowverse」をやっています。ふぇぐです。

――まずは「Shadowverse World Grand Prix 2018」の優勝おめでとうございます!

ふぇぐ選手:ありがとうございます。勝ちましたね。

――大会優勝されて1週間ほど経ちましたが、反響はいかがですか?(インタビューが行われたのは12月25日)

ふぇぐ選手:高額な賞金をいただくと親戚が増えるって言うじゃないですか?親戚は増えなかったんですけど、友達は増えました(笑)。

インタビューに答えるふぇぐ選手

色んなニュースにも取り上げていただいたので、それを見た「Shadowverse」やってない昔の3、4年前の知り合いからすごい連絡が来ましたね。飯おごってくれだの、飲みに行こうだのとか(笑)。

――色んな連絡が(笑)。チームメイトの方やご家族などからは?

ふぇぐ選手:それでいうとチームメイトの一人は解説の仕事で現場にいたんですけど、他のメンバーは普通に会場に遊びに来て僕の応援をしてくれてて本当嬉しかったんですよ。

両親もすごい応援してくれてるのは知ってたんですけど、実は会場にいて。僕それ知らなくて、偶然目に入っちゃったんですよ。それで「なんでいんの?!」みたいになって(笑)。ちょっと笑いそうになったんですけど、そこは抑えてポーカーフェイスでプレイしました。

――これだけ色々なところで取り上げられると街で声を掛けられるなんてことも

ふぇぐ選手:ありますかね〜。あったらちょっとマスクつけて芸能人ぶります(笑)。

「Shadowverse World Grand Prix 2018」の大会について

――先日の大会についてですけども、今振り返ってみて自分自身一番印象に残った部分はどこでしょうか?

ふぇぐ選手:そうですね、やっぱり一番最後の試合ですかね。

インタビューに答えるふぇぐ選手

最終戦、一番最後ポセイドンを引いた時が本当にアツかったんですけど、そこにたどり着くまでにもし自分が一手でも違う行動してたら、そこまでたどり着かなかったので。

――あれをドローした瞬間の盛り上がりがすごかったです。

ふぇぐ選手:プレイしてる時はヘッドホンしてるんで聞こえなかったんですけど、動画のアーカイブを見て「うわっこんなに盛り上がってたんだ」って。その動画自分でも何回も見ちゃいましたもん。

――大会初日を終えTOP8に進出した段階で、優勝までの道筋はどのくらい見えていましたか?

ふぇぐ選手:うーん、正直なところで言うと、2日目残った時に「一回は勝ちたいな」くらいでした。優勝を意識して緊張しすぎても良くないと思ったんで、2年連続TOP8残れたんだから、全力で楽しんで一歩一歩勝ちを重ねていきたいという気持ちで望みました。

――大会を通して緊張はあまりされなかったんですか?

ふぇぐ選手:決勝に行った瞬間緊張はしてたと思うんです。ただそれを上回るくらいかなり集中できてて、ゾーンに入ってるって言うんですかね。だから自分が緊張していることにあまり気がついてなかったんですね。

ただ決勝の1試合目で、手汗で指が滑ってカードが出ちゃった時に集中力が途切れちゃったんですよ。そこで自分が緊張していることに気づいちゃって、その時は大変でした。そこから色んな「Shadowverse」以外のことも頭に浮かぶようになっちゃって、再びゾーンに入るまでに時間がかかりましたね。

――普段の試合も緊張はあまりしないタイプなんですか?

ふぇぐ選手:始めの頃はすごいしてました。ただファミ通CUPで優勝してから色んな仕事や大会に呼ばれて、プロとしてやってきて慣れてきた部分があるので、今はあんまりしない方だと思います。

――大会の最終局面で、自分のターンが終わったあと両手を組んで祈るようなポーズをされてたのが印象的だったのですが、あの時の心境はいかがでしたか?

ふぇぐ選手:細かい話になるんですけど、相手が炎爪(侮蔑の炎爪)を守護に打ったということで、アジ(アジ・ダカーハ)は絶対に持ってる。で、あの悩み方からしたら、もう一枚の炎爪は手札にない。

相手のPotwasher選手が「侮蔑の炎爪」を守護に打つ場面(1:15:08〜)

相手がもし持ってるとしたらトップのカードしかなくて、トップのカードを「引くな!!」って祈りました。実は普段あんまり祈るのとか好きじゃないんですよね。引く時は引くし、引かない時は引かないって考えなので。たださすがにあの場面は祈りましたね(笑)。

大会の賞金について

――もう何度も聞かれてると思うのですが、賞金の使い道は考えましたか?

ふぇぐ選手:これに関しては、父から「お前は現金で持っとくとすぐお金を使う」と。だから「マンションを買いなさい」と言われてるのでとりあえずマンションを買おうかなと(笑)。今は実家ぐらしなので、そこに住むかどうかわかんないですけど、これをキッカケに一人暮らしもしたいなと思っています。

――国内でこれだけ大きな賞金の大会は珍しいかと思います。日本のesports全体を見たときに、高額な賞金が出る大会が増えていくことについてはどう思われますか?

ふぇぐ選手:今回の大会は国内最高額の賞金が出るesportsの大会だったので、色んなニュースにも取り上げていただけたと思います。

インタビューに答えるふぇぐ選手

ただ、「esports」というものが、僕らはすごく身近ですけど、世間一般の方々からしたら「esports」という言葉だけ知っているような状態だと思ってて。

その高額賞金をキッカケにドンドン「あんなゲームもある、こんなゲームもあるよ」っていうのを知ってもらって、より親しみやすくなって、「esports」という言葉だけじゃなく、中身を知ってほしいですね。言葉は認知され始めているんですけど、まだどんなタイトルがあるって言われて、答えられる人が少ないと思うので。

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