Mr.最適解と呼ばれるまちゃぼー選手について

――まちゃぼー選手はMr.最適解と呼ばれていますが、最適解を出すためにどんな取り組みを行っていますか。

まちゃぼー選手:自身で思うのは、他の人に比べて自分を責めること、反省することが多いと思っています。普通人って否定されるのは嫌じゃないですか。「それおかしいよ」といった意見を大人になってから言われる機会もあまりないですしね。

ただ僕は結構否定してほしいんです。「あなたのここが悪い!」と周りからはっきりと言ってほしいタイプで、自身でも自分に言い聞かせるタイプなので、そこなのかなと思いますね。自分に厳しくしてるつもりです。他は甘いかもしれないんですけど、ゲームに対しては非常に厳しくしてると思います。

――オート対空と言われるほど、対空精度が高いイメージですが自信はありますか。

まちゃぼー選手:そこは自信ありますね。自分が一番(精度を)出している自信があります。

――それは練習によって培われたものですか。

まちゃぼー選手:どちらかというと経験ですかね。元々ギルティギアをやっていて、その当時使っていたキャラが対空に強みがあるキャラクターだったので、その経験が馴染んだ感じですね。他のどの格闘ゲームをやるときも、まず対空から意識するんですよね。そうしたことが、今に活きてるのかなと思っています。昔はかなり練習しましたけど、今は全然ですね。

――ギルティギアでは「相手のやりたいことをやらせない」という戦法を行っているとおっしゃっていましたが、ストリートファイターVではどのような取り組みを行っているのでしょうか。

まちゃぼー選手:ギルティギアの場合は、自分の色が出せればなんとかなるということが多かったんですけど、ストリートファイターVの場合は自分の色を出してるだけでは勝てないことが凄く多いんですよね。色よりもキャラクターの特性をちゃんと活かすとか、戦略・戦術をしっかり立てて効率よくやらないとトップには勝てないっていうゲーム性になっているので、そういう意味ではやり方を変えましたね。

少なくとも自分がやりたいことはしていないですね。ギルティギアの場合は自分のやりたいことをしっかりできれば勝ててたんですけど、今はそれだと本当に勝てないので、やりたくないこともやりつつプレイしていますね。

――まちゃぼー選手にとってキャラを選ぶ基準はなんでしょうか。

まちゃぼー選手:ストリートファイターVのシーズン1が4年前から始まって、今シーズン4まで続いてるんですけど、シーズン1のころはギルティギアであったり他のゲームをやっていて、ストリートファイターVをメインにはしてなかったんです。

それから、ストリートファイターVを始め出して、最初「リュウ」を使ってたんですけど、飽きてしまったんですよね。それで、モチベーションを保つために面白いキャラいないかなと思って使ってみたのが「ネカリ」でしたね。

当時、かなり性能的に強かったんですよ。その名残もあって今も使い続けている感じですね。また、キャラ替えした選手が大会でかなり苦労しているのを間近で見たのもあって、ネカリを使い続けていますね。

――自身が思うネカリの魅力はどこになりますか。

まちゃぼー選手:僕っぽいっていうのは結構周りから言われますね。シンプルなんですよね。誤魔化しが効かないキャラで、今まで僕自身がそうしたキャラしか使ってこなかったので、そんな所が気に入っていますね。

――不調の時はどう対処されるんでしょうか。

まちゃぼー選手:あまり気にしないですね。正直、絶対勝てるとは思っていなくて、100%の勝率出すなんて、野球で打率10割出すのと一緒だと思っているので、そこを気にしても仕方ないかなと思っています。

負けたとしても自分がちゃんとした内容を出せていればいいと思っていますね。「あの時こうしてれば」って思うこともあるんですけど、タラレバの話になってしまうので、次勝つことを目指してプレイする方がいいかなと思っています。明らかに悪い時以外は、基本気にしないことを心掛けていますね。

――最近滝行などを行って精神面のトレーニングを行っている選手がいますが、まちゃぼー選手は精神面で何かトレーニングを行っていますか。

まちゃぼー選手:特定のトレーニングはしていないですね。どっちかというと徹底的に自分を甘やかします。外に行って散歩してリフレッシュすることが精神的に良かったりしますね。僕がそうしたトレーニングをすると逆にダメになってしまうと思っているので。

カプコンカップ2019の注目選手や意気込み

――カプコンカップ2019で注目の選手はいますか。

まちゃぼー選手:優勝しそうだなって思う選手はPunk選手とかになりますかね。ただ、僕がPunk選手と2回戦で当たることになるので、優勝するってことは僕が負けてることになってしまうので、そういった意味では注目したくはないです(笑)。そうは言っても、今回かなりレベルが高くて誰が優勝するか分からないってところはありますね。

あとアメリカと日本だと、かなりキャラクターの分布が違うんですよね。特に「G」に関しては日本勢で使っている選手があまりいないので、自分から「G」使いの有名な選手に声をかけるといったことをやらなければならなくなってくるので、結構日本は「G」に苦労するんじゃないかなと思っています。僕は当たらないんですけど、強力な「G」使いが3人ほどいるので、その辺りと当たる選手は大変なのではないかなと思ってます。

――ちなみに今、対策している選手はいますか。

まちゃぼー選手:今は、AngryBird選手ですね。カプコンカップの1回戦で当たることが確定していて、是空使いなので対策中です。

――海外選手がかなり強くなってきているイメージがありますが、その点に対してはどう考えていますか。

まちゃぼー選手:日本と海外で五分五分までは言い過ぎかもしれないんですけど、かなり強くなっている印象ですね。まだ少しだけ日本の方が上かなって思いたいんですけど、カプコンカップで優勝するのが必ずしも日本人選手になるとは思っていません。

いつも大会のトップ8に半分くらい日本選手が入るイメージが強いんですけど、今回はそうならない可能性が高いなと思っていますし、本当にレベルの差は縮まったなって感じますね。傍から見ていた時もそう思っていましたし、実際にプレイヤーとして参加してからもそこは常々感じる部分です。

今まで日本人選手の方が論理的に考えるのが得意だと思っていたんですけど、海外の選手も計算されたプレイができる選手が多く、あまり遜色ないなって思っていますね。

――Capcom Cup 2019で、この選手には勝ちたいといったライバルのような選手はいますか。

まちゃぼー選手:まず僕はベスト8まで誰と当たるのかなっていうのを見ていて、逆に言うとそこしか見てないので、そこまでに当たる選手であれば、Punk選手には勝ちたいですね。Punk選手とは一昨年のEVOで対戦してるんですけど、そこでボコボコにされてしまって何もできなかったので。

あと今見る限り明らかに強いことがわかるので、そういう意味では当たるのが楽しみですね。自分が全力でプレイして、どうなるのかってところをぶつけられる場でもあると思っているので、かなり楽しみです。ライバル意識はかなりあるかなと思います。ただ、2回戦にお互い勝ち上がれば実現するカードなので、ぜひ勝ち上がりたいですね。

――日本選手だと、どなたを意識されていますか。

まちゃぼー選手:基本いつも上位にいるメンバーが出場しているので、難しいんですけど、梅原さんがトップ8までに当たる可能性があって、梅原さんが使っているメインキャラのガイルが少し弱くなってしまったんですけど「やるだけのことをやって出れなかったらしょうがないって思ってる。」といった覚悟を決めた発言をされていました。

普段からトップで活躍している梅原さんでも、そうした意思を持って臨んでいることを知って、梅原さんがカプコンカップで、どういう動きやプレイをするのか楽しみだなと思っていますね。毎回かなり変わるので見ていて楽しいんですよね。

――最後にCapcom Cup 2019に向けて意気込みをお願いします。

まちゃぼー選手:月並みではあると思うんですけど、絶対に優勝したいなって思っています。今回初めて出場するので、空気感も楽しみたいですね。僕らの中でトップ8が1つの区切りだと思っていて、最低でもトップ8には行きたいと思っています。また今回ネカリ一本で勝負すると宣言しているので、そこで結果を残して頑張りたいなと思っています。

カプコンカップ2019概要

アメリカのロサンゼルスで2019年12月13日(金)から15日(日)にかけて行われる「ストリートファイターV」のプロツアー決勝大会になります。

カプコンカップ2019には、前年度覇者である「ガチくん選手」、まちゃぼー選手も16位で入ったグローバルポイント上位26名、地域(北米・欧州・中南米・アジア)決勝優勝者4名、最終予選通過者1名の32名が出場します。

公式ページCapcom Pro Tour

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