プロゲーミングチーム「よしもとゲーミング」格闘ゲーム部門に所属し、世界最大の格闘ゲーム大会「EVO」など数多くの大会で輝かしい成績を収めているトッププレイヤー、まちゃぼー選手。

                                   提供:大須晶

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今年度、ストリートファイターVのツアートーナメント大会「Capcom ProTour 2019(以下、CPT2019)」で目覚ましい成績を挙げ、締めくくりの大会となる決勝「Capcom Cup 2019」への出場が決定したまちゃぼー選手に、カプコンカップに関する意気込みから、RAGE主催で行われた「ストリートファイターリーグ」に関する話まで、様々な話を伺うことができました。

また今回、インタビューをesportsメディア「ESPORTS侍NEWS」と合同で行いました。前半(競技シーン編)と後半(職業編)の2部構成となっており、後半はESPORTS侍NEWSにて掲載されています。

CPT2019のここまでを振り返って

――Capcom Cup 2019出場決定おめでとうございます。CPT2019をここまで戦ってみての感想はいかがですか。

まちゃぼー選手:最初は凄く苦戦しましたね。やはりポイントを貯めていくルールで、それがポイント鳴かず飛ばずどころか、このペースだと絶対出れないよって感じだったので、このままで出れるのかなっていう不安が凄くありました。前年からEVOのような大きな大会には出場していたんですけど、カプコンカップを目指してツアーを回るっていうのが初めてだったので、分からないことも多く手探りの部分もあって難しかった所もありました。

ただ、そこが慣れてきてからは精神的にも落ち着いてプレイできるようになって、割と早い段階で出場確定させることができたので結果的にはよかったかなと思います。本当に最初苦労こそしましたが、今となってはいい思い出です。

――「Battle Arena Melbourne 11」での優勝や、8大会連続でTOP8入りするなど、今年好調であるような印象を受けましたが、なぜ好成績を出し続けることができたのか自身でどう分析しますか。

まちゃぼー選手:自分でもぶっちゃけ何故好調なのかは分かってなかったんですけど、ただ理屈で考え、前と違うことを何をしているのかってことを考えてみた結果、落ち着こうっていう風に思ったんですよね。

スポンサードしてもらって、お金を出していただいてツアーを回るわけですから、結果を出さなければならないってことを考えるのは当然だと思うんですけど、それが重荷になりすぎてパフォーマンスが出なかったりすると、結局それが恩を仇で返すことに繋がってしまいます。

それならば極端な話ですけど「負けてもいいや」ぐらいの気持ちで、勝ち星を挙げることができるならそちらの方がいいと思うので、矛盾はしてるかもしれないんですけど、そうした気持ちで切り替えてプレイ出来たのが良い結果に繋がったのかなと思います。

――練習を増やしたといったことではなく、気持ちの部分が大きかったんですね。

まちゃぼー選手:そうですね。むしろ練習の量はちょっと減ったかなぐらいまでありましたね。必死にやりすぎると良くないってことに気づきましたね。練習自体は周り以上にしているつもりではあるんですけど、主にやらされてる感でやってしまうと効率が悪くなってしまったりしてしまうので、そこは切り替えていましたね。

――普段はどのような練習をされるんでしょうか。

まちゃぼー選手:僕は、プロゲーマーが集まってプレイするオフの対戦会に行くのが1つと、家でオンライン対戦をするのが1つ、そして、オフの対戦会に行って分からなかったことがあったときなどに家で調べものをして次の日に試すっていうのが基本ですかね。

ただ、大会で対戦相手が決まった場合とかは別ですね。例えば決まった相手の試合動画を観たり、その相手と使用キャラクターが一緒のプレイヤーに練習をお願いするといった取り組みを別で行っています。何もない時が前者で、大会がある時は後者ですね。なので今は後者ですね。

――対戦中によくうなづいているしぐさを見ますが、どんなことを考えているのでしょうか。

まちゃぼー選手:(うなづいているのは)無意識ですね。ただ、基本的には相手のことを考えています。あまりにも自分のプレイが良くなかったときは、自身のプレイに対する修正を意識しますが、基本的には相手の動きや相手のプレイを考えていますね。自分よりは相手のことを考えていますかね。

――海外の大会でプレイすることが多いですが、緊張はしませんか。

まちゃぼー選手:最初はめっちゃ緊張しました。ツアー始まってすぐの3月まではかなり緊張してましたね。4月以降から徐々に緊張がほぐれてきて、5月には大丈夫になりましたね。どの大会でも多少は緊張するんですけど、普段の調子が出ない、頭が真っ白な状態になるまで緊張してしまうのは、ほんと初期の頃くらいまででしたね。

実際に緊張は必要だと思っていて、練習だと負けてもいいやぐらいでプレイしても、次に繋げれば問題ないんですけど、大会は負けてはいけないので、そうした面で適度な緊張は必要かなと思いますね。

――選手同士のコミュニティーが強いイメージがありますが、普段は選手同士でどんな話をされるのでしょうか。

まちゃぼー選手:意外とどうでもいいことを結構話してたりしますね(笑)。よく大会後に残った選手同士でご飯に行くことがあるんですけど、お酒も入るのもあってゲーム以外のどうでもいい話をすることが多いイメージですね。ただ言っても格闘ゲーマー同士なんで、なんだかんだ情報共有であったり、真面目な話にもなってしまうところがありますね。

「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE」に出場してみて

「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE」とは
3on3で行われる日本最高峰のリーグ戦。JeSU(日本eスポーツ連合)のプロライセンスを持つトッププレイヤーと、リーグに参加するために数々の試練を乗り越えた猛者たちで3人1組のチームを組み、名誉や賞金を懸けて熾烈なリーグ戦に挑みます。
なお、リーグ戦の結果優勝、準優勝となったチームは北米で開催中の「ストリートファイターリーグ: Pro-US」の優勝、準優勝チームと2019年12月に北米にて世界最強チーム決定戦を行います。

――「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE」では、BANルールによってサブキャラクターである「豪鬼」を使用する機会が多かったと思うのですが、BANルールについてはどう思われましたか。

まちゃぼー選手:僕自身は結構面白いなと思っていました。ストリートファイターリーグのような大会は、多くの方に見て頂く必要があると思っていて、そうなるとお客さんを楽しませる必要が少なからずあると思うんですよね。そこで毎回同じものを見ても、きっと飽きてしまいますし、ゲームは野球やサッカーと違ってルールがどんどん変わっていくものなので、そうしたルールが採用されるのも面白いんじゃないかなと個人的には思いましたね。

昔からの風潮で同じキャラクターで自身が培ってきたものをプレイで出すっていう側面もあるんですけど、なんだかんだ蓋を開けてみると、みなさん楽しんでいただけたようなので良かったんじゃないかなと思いました。

――やはりストリートファイターリーグに入って、豪鬼はかなり練習されたのでしょうか。

まちゃぼー選手:めちゃくちゃ練習しましたね。一応僕、器用な自信はあるんですけど、トップにいるプレイヤー達のメインキャラクターに勝たなければならないってことで、それなりの練習量はいるなと思ったので、かなり豪鬼を練習しました。それもあって豪鬼使用時は勝率100%でした。

――勝率100%となると、豪鬼をマスターしたなって印象ですか。

まちゃぼー選手:いやいや全然です(笑)。長いスパンだと絶対負けてしまうんですよ。ただ短いスパン、2先だからこそできるやり方で、対戦相手も決まっていたのもあって勝てたと思います。やっぱりサブは対策しづらいんですよね、相手からすると。そこを突けたのかなって思いますね。

――ストリートファイターリーグでは、チーム「マゴスカーレット」としてマゴ選手、ユージ選手と試合に臨みましたが、チームメンバーについてはどうでしたか。

まちゃぼー選手:元々ユージ君とはほとんど面識がなくて、強いとは聞いていたんですけど、ほんとに見たことがあるくらいでしたね。

逆にマゴさんは昔TOPANGAの企画で共演するなど、交流が深かったですし、元々強いのもわかっていたのでよかったんですけど、ユージ君どうなるんだろうなっていうのは、最初メンバーが決まったときに思いましたね。

――ただ結果として、ユージ選手が素晴らしい成績を収め、かなり助けられた部分があるのではないでしょうか。

まちゃぼー選手:そうですね。チームとしてはかなり助けてもらったと思いますね。今回スカウト制度があり、第1指名に僕、第2指名にユージ君が選ばれて、やっぱり第2指名の方が本来だとレベルが下がるはずだとは思うんですけど、第2指名の子に2試合連続で大将をやらせるってことを僕らのチームはやったので、かなり負担はかけちゃっただろうなって思いましたね。それでも僕らの期待に応えてくれて結果を出したって言うのは素直に凄いなと思いましたね。

――リーダーであるマゴ選手についてはいかがですか。

まちゃぼー選手:昔大会に弱いって言われてて、実際にそういうイメージが僕の中でもあったんですけど、全然そんなことないなって感じましたね。もう少しのところで負けてしまうもったいないところもあったりするんですけど、いつも内容が凄く良いんですよね。

基本的に僕らのチームは、マゴさんに負担をかけるBANを相手にしていて、「マゴさんなら倒せるけど、僕とユージ君では駄目だから、このキャラBANさせてください。」って形でBANを実施させていただいたので、そういう意味ではかなり負担をかけたなって思いますね。それもあって僕の勝率が高かったのかなって思うので、正直僕が一番楽してますね(笑)。

――最終的にチーム「マゴスカーレット」が1位でグランドファイナル進出となりましたが、この結果は予想されていましたか。

まちゃぼー選手:いや正直、絶対(1位は)無理だなって思ってました(笑)。ふ~どガイア(ふ~ど選手、Shuto選手、ボンちゃん選手のチーム)が厳しいなって思ってて、よくて2位か3位かなって感じでしたね。ほんとに3位以内に入れたらいいなぐらいのスタンスでいたので、まさか1位とれるとはって感じですね。

視聴者がどうかは分からないですけど、少なくとも参加者の中では「マゴスカーレット」1位はないと思っていたのではないですかね。例えるなら「ふ~どガイア」大本命、次に「ウメハラゴールド」、大穴で「マゴスカーレット」くらいだったと思うので、1位になることができて嬉しかったですね。

――目指すはグランドファイナル優勝ですか。

まちゃぼー選手:厳しいとは思いますけど、優勝は目指したいですね。あと今まで僕自身チーム戦をすることが多かったんですよね。特にギルティギア※の大会自体がシングルの文化がなくて、EVOのような大きい大会以外は基本3on3か2on2だったので、久しぶりにチーム戦の楽しさを思い出させてもらいましたね。
※アークシステムワークスが販売している2D対戦型格闘ゲーム

あとはやっぱりマゴさんにメンバーとして選んでもらいましたし、ユージ君も普段そこまで表に出る子ではないので、そういう子にこうした大きな舞台を経験させることができるっていうのは素直に嬉しいことなので、先輩として頑張りたいなと思っていますね。

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