2019年9月16日(月・祝)に立川立飛アリーナにて、League of Legendsの夏季における日本最強チームを決める「LJL 2019 Summer Split Finals」が開催されました。

LJL 2019 Summer Split Finals
League of Legendsの日本トップリーグ「League of Legends Japan League」の夏季における王者を決定します。
1位となったチームは、League of Legendsの世界王者を決める大会「2019 World Championship」に出場する権利が得られます。

試合開始前、会場には多くのファンが集まり、LJL Summer Splitに参戦した8チームと交流。会場にはLeague of Legendsに登場するチャンピオンのコスプレをして楽しんでいるファンも見受けられました。

エイリアンウェア「Best Play Awards」授賞式

LJL Finalsに先立ち、「Best Play Awards」の授賞式が行われました。
LJL 2019 Summer Splitを通して、全8チームの中から各部門の最も優秀だった選手やチームを投票で決定。結果は以下の通りとなりました。

  • Top V3Esports Paz選手
  • Jungle SengokuGaming Blank選手
  • Mid V3Esports Ace選手
  • Adc DetonatioN FocusMe Yutapon選手
  • Support DetonatioN FocusMe Gaeng選手
  • 最優秀チーム DetonatioN FocusMe

試合レポート 絶対王者DFMが力を見せつけ3連覇達成

今年のLJL Finalsはシーズン1位「Detonation FocusMe」(以下、DFM)とシーズン3位「V3 Esports」(以下、V3)の対決。

DFMは、昨年の「WCS 2018」で日本勢として過去最高のプレイイン2ndステージに進出。LJLでは、創設以来 シーズン10度の優勝を誇る名実ともに最強のチーム。対するV3は、’18年春に1部リーグ昇格、優勝経験ゼロの新興チーム。V3は経験豊富なメンバーを集めたものの、この両チームの対戦とあっては「DFMの圧勝」との声が大多数を占めていました。

事前視聴者アンケートでは90:10でDFMの勝利予想

以下、各試合のレポートをお伝えします。

Game1:『V3のAce』

Game1 B/P pick順通り

Game1のドラフトは、両チームの目論見がはっきりと出た展開となりました。

B/PのBan枠に関しては、シリーズ通して5枠が固定。V3側がCerosを警戒した、ハイマー・カルマの2枠。DFM側がAce警戒のアカリ、Baby警戒のエリスの2枠。ここに世界各国でOP認定を受けているユーミを、FP権のないレッドサイドがBAN。比較的自由に使える枠は、ブルーサイドの1枠に限られる展開となります。残された1枠をブルーサイドのDFMは、モルデカイザーに使用。セミファイナルのAce選手のプレイを受けた、研究されたBANになりました。

Pickで特筆すべきは、DFM側のパンテオン・スレッシュ。リワーク間もないパンテオンに加え、ザヤにぶつけたと思われるスレッシュのパフォーマンスに注目が集まります。

【Game1 VoD】

多くの下馬評を覆す、V3の勝利に会場は大盛り上がり。
明暗を分けたのは、V3 Aceのルブランのプレイでした。終始好プレイを見せていましたが、中でも試合時間21分からの集団戦、パンテオンが後方にULTを使用しDFMがV3を挟み込む陣形に。ここでAceは相手の陣形の隙をつき、敵のスキルをよけながらADCのYutaponをキル、集団戦を勝利に導きました。このままV3はバロンを獲得し、試合を加速させて勝利。まさしく、ゲームを一変させるプレーとなりました。

Game2:『フック』

まさかの敗戦にDFMはここから立て直すことができるのか。過去の敗戦を思い起こす、そんなムードが会場中を覆いました。

Game2 B/P

前述の5枠をBANした後、この試合でV3はパンテオンをBAN。これは前戦、Eviのパンテオンにレーンで圧倒されたという経緯からだと考えられます。ピック面では、V3は連続してザヤをピック、ザヤに対する高い評価を感じさせます。一方DFMは、得意チャンプで固める構成にシフト、Eviのナー・Cerosのシンドラ・Stealのノクターンを次々とピック、ザヤに対してのスレッシュも忘れずに選択します。

【Game2 VoD】

DFMが王者としての意地を見せ、BO5は1-1で振り出しに戻します。近年のLJL決勝では稀にみる混戦に、会場の機運も高まります。

この試合は、DFM Gaengのスレッシュの試合といってもいいでしょう。高いスキル精度でBOTレーンを破壊、ゲームの勝利につなげました。 試合シーンはコチラ 序盤の4キルはプロシーンにおいては致命的でV3の勢いを完全に止める見事なプレイでした。

Game3:『スニークバロン』

Game3 B/P

今回のブルーサイドBANは、またしてもモルデカイザーに。MIDに各チーム2枠ずつのBANを割く、MID重視のゲーム展開が予想されます。ピックでは、ここまでV3が高く評価していたザヤをDFM側が取り上げる戦術に。何とかV3は、OP枠のパンテオンを抑えますが、今季勝率20%のサイラスをピックさせられる展開になりました。DFM かずーたコーチの戦術が光ったBAN/PICKになったといえそうです。

【Game3 VoD】

DFMが優勝に王手をかける勝利。この試合最大の勝因は「スニークバロン」でした。(スニークバロンとは、相手に気付かれる前にバロンナッシャーを倒すプレイ) そのシーンはコチラ バロンからのダメージ・デバフなどを受ける、敵に見つかれば大きな痛手を負う可能性のある「ハイリスク・ハイリターン」な戦術のため、高い判断力が求められます。Yutapon発のこのコールをチーム一丸となり行ったDFMが優勝に王手をかけることとなりました。

Game4:『3連覇達成!戦いは世界へ』

Game4 B/P

【Game4 VoD】

レギュラーシーズンから初ピックとなるエコーをピックしたDFMが鮮やかなスノーボールを決め、LJL3連覇を達成しました。序盤JG内でソロキルを受けるシーンもありましたが、試合の流れを掴み最終的には危なげない勝利をおさめました。

DFM、LJL3連覇達成 選手からは苦しみの声も

DFM Evi選手はシリーズを通しての感想を「1戦目に負けた時、過去決勝での敗戦の記憶がよぎった」と語りました。3季連続でシーズンでは1位を獲得しながら、決勝戦で敗れるDFMにとって悪夢ともいえる過去。Game1でV3が勝利をあげた時には、会場の誰しもがEvi選手同様過去を思い起こしました。

そんな雰囲気を破る見事なプレイを見せ3連勝。DFMが「LJL 2019 Summer Split Finals」に勝利し、LJL3連覇を達成しました。

DFMは「Worlds 2019」への出場が決定


「LJL 2019 Summer Split Finals」に勝利した「Detonation FocusMe」は、10月2日(日本時間)よりドイツ・ベルリンで行われる「Worlds 2019」への出場が決定しました。詳細スケジュールなどは、追ってお伝えします。

日本勢初のグループステージ進出なるか、DFMの戦いに注目が集まります。

関連リンクLJL公式サイト,Worlds特設サイト