2019年8月12日よりアメリカ・ノースカロライナ州で開催された、人気FPSゲーム「レインボーシックスシージ」の大規模世界大会「Six Major Raleigh 2019」。

前回インタビューを敢行した「Vodafone Giants」Alphama選手に続き、今回は世界トップクラスの人気を誇るプロゲーミングチーム「Fnatic」のMagnet選手に、Six Major Raleigh 2019の感想や今後の大会シーンでAPAC地域が活躍する秘訣を尋ねてみた。

Magnet

Magnet選手
Fnaticのチームリーダー。
Twitter:@MagnetR6

――メディアデイのインタビューでグループステージ突破するには、ミスを最小限に抑えその場で適切な判断を下すことがカギだとおっしゃっていましたが、そこについては実際どうでしたか?

Magnet選手:勝利へのカギは、小さなミスを最小限に抑えることではあったけどそれでも多くのミスをしてしまいラウンドを多く落としてしまった。1ラウンドにおいて、1人の1つのミスは負けに直結するくらい大きなことなんだ。

――グループステージの対戦相手について、対戦してみて対策など大きく違っていた点はありましたか?

Magnet選手:DarkZeroの対策は、万全に行っていたはずだったけど彼らは僕らが準備したものに対するカウンターが非常に上手かった。DarkZeroは相手チームの対策を時間をかけてこの上なくしてくるチームだね。

あとFaZe戦では、自分たちのミスによってラウンドを落としてしまうことが多かったと思う。もちろん、FaZeが上手く立ち回ったからこそ勝利を手にしていったんだけどね。

――今大会を通じてどのチームに一番驚かされましたか?

Magnet選手:この大会を通して一番驚かされたのは、Secretだったよ。個人的には、あそこまで成績を伸ばしてくるとは思っていなかったけど、非常に試合をうまく運んでいて、チーム全員で卓越した撃ち合いを見せてくれたね。

――今後の大会シーンでAPAC地域が成功するにあたっての秘訣について教えてください。

Magnet選手:APAC地域が成功するためのカギはAPAC地域が1つとなること。各々の地域だけでゲームをすることに留まってしまってはいけないと思う。

しかし回線の関係上、ほかのAPAC地域と質の良い練習を行うのは困難だね。またプロリーグで活躍して一番になりたいと努力する競技シーンでプレイする選手の母体数も増やしていかなければならない。

ほかの地域のプロリーグにおいては、上位層が変動しているのに対してAPAC地域では決まった2~3チームが上位にいるから、もっとプロリーグが競争的にならなければならないと思うよ。

理想的な状況で言えば、EUのようなチャレンジャーリーグのように、上位6チームであったとしても脅威であるような競争的なリーグをAPAC地域でも造れたらいいな。

――Fnaticは、遡ること9~10ヵ月近くロースターを固定して活動してきましたが今後のチーム変更についてどう考えていますか?

Magnet選手:長期間ロースターを固定してきたけど、チームとして変化が必要な時期に差し掛かった時には変更が必要だと思う。そういったことから、Six Master MEO 2019ではAcezの代わりにSpecaを起用してみたんだ。チームとしてSpecaにもオフラインと競技シーンでの経験を与えたかったし、撃ち合いの面でより強化を施したかったんだ。

――Six Master MEO 2019がSix Majorの直後に行われましたが、優勝するにあたってローリーからの変更点について教えてください。

Magnet選手:ローリーから帰ってきてSix Masterへの準備期間は1週間もなかったけど、さっきも言ったようにロースター変更をしてみたんだ。

大会までの期間は、戦略を見直して変更を施しSpecaがいるロースターでどう試合をするかに焦点を置いて準備をしたね。Six Masterでは、相手チームの対策より自分たちのチームとしてやりたいことを試していたけど結果的に優勝する事が出来たよ。

――FnaticはANZ地域で現在ORGL3SSに続きPLでは2位ですが、PL JP Finalにむけての今後のPLについての意気込みとANZ地域の成長について教えてください。

Magnet選手:PLがBO1という事と、オンラインで上手く自分たちのやりたい事を出来ていない傾向にあるのが今の結果に繋がっているかな。

またANZ地域の上位4チームは、より競争的になってきていると思うね。ただ、そうであっても僕たちはAPAC予選もJapan PL Finalにも出場できる自信があるよ。

――最後に日本のFnaticファンに一言お願いします。

Magnet選手:ありがとうございます!日本にいる僕らのファンは、最も忠実で情熱的な方々で応援に感謝してます!頑張ります!

取材・文:GuNBoY