esports元年と言われ大きな話題となった翌年の2019年、「esports」を題材にしたテレビ番組の制作や高校生を主体としたesports大会が開催されるなど、様々な機会で多くの人々が「esports」を改めて認知した年になったといえるはず。

そんな2019年を振り返るべく、弊メディア「esports press」編集部から2名と、esportsメディア「ESPORTS侍NEWS」の寿限無之信(コトブキゲムノシン)さん、そして、今年惜しまれながらも閉鎖が決定した「SHIBUYA GAME」から石川プロデューサーの4名が集まり、今年度の個人的esports10大ニュースを決定する企画を敢行。

左から、「SHIBUYA GAME」石川プロデューサー、「ESPORTS侍NEWS」寿限無之信さん、「esports press」編集部2名

選考方法は、先ず各3社が今年話題になったと思うニュースを10個ずつ選出し、合計30個のニュースから選出数が多かった4つのニュースを決めます。その後、各社2つずつ印象に残ったニュースを選び、10大ニュースとします。

まず各メディアから選出数が多かった4つのニュースがこちら。

フォートナイト世界大会 16歳少年が3億円を獲得

人気バトルロイヤルシューター「フォートナイト」の世界大会「フォートナイトワールドカップ」ソロ部門で、アメリカの16歳少年「カイル・ギアーズドーフ」選手が優勝を果たし、300万ドル(約3億円)を手にしたことが話題になりました。esports界はもちろん、スポーツ界の中でも巨額な賞金となりました。

フォートナイトワールドカップでは、カイル・ギアーズドーフもソロ部門で出場した世界一のFortniteプレイヤーを決める「ワールドカップ部門」、有名ストリーマーがチームを組んで争う「クリエィティブ部門」、プロと著名人がペアを組んで激突する「プロアマ部門」が開催され、総額30億円もの賞金が用意されるなど、賞金額の高さも話題となりました。

JeSU 賞金問題が解決へ

以前よりJeSUの賞金問題に対して、様々な意見が飛び交っていた中、2019年9月12日(木)に開催された「2019年度日本eスポーツ連合(JeSU)活動報告&発表会」にて、ついにJeSUより公式の回答が発表されました。

これまで、esportsの競技種目がメーカーの商品であることから「景品表示法」の対象になり、賞金額が最大10万円までになるのではないかということが、これまで取り沙汰されていました。そこで、消費者庁より、レギュレーションに基づき興行性のあるものであれば、「仕事の報酬等」と認められ、高額な賞金であっても受け取ったり給付することが可能となるとの回答を得られたと発表し、解決へ大きな前進となりました。

またJeSU繋がりで、これまでJeSUが発行しているプロライセンスを所持していなかった、プロ格闘ゲーマー「ももち」選手が、数多の話し合いを経て遂にライセンスを取得したことが話題にもなりました。

高校生対抗esports甲子園大会「STAGE:0」が開催

「甲子園」という形で高校生主体のesports大会「STAGE:0」が今年開催されました。esports番組でもお馴染みとなりつつある、お笑い芸人アンガールズ田中さんや、アイドルグループ「日向坂46」のメンバーが本大会に出演するなど、大きな話題となりました。

高校生がメインとなる「甲子園」としたことで競技性が増し、また一般の方にも取っ付きやすい形になった大会と言えると思います。来年にかけて、より一層若年層を主体とした大会が開催されることが予想されます。

大型パブリックビューイングカフェ「価格.com GG Shibuya Mobile esports cafe&bar」が渋谷PARCOにオープン

2019年11月22日に建て替えによって生まれ変わった大型商業施設「渋谷PARCO」 に大型のesportsパブリックビューイングカフェバーがオープンしました。カフェやバーとして使うのはもちろん、大型スクリーンでの大会観戦やオフ会、ゲーム大会を開くことも可能で、様々な形でesportsに触れることができる場所となっています。

8月には大阪の心斎橋にesportsカフェが出来るなど、徐々に日本で日常的にesportsを楽しむ場が増えてきています。今後の展開にも期待が高まっていくばかりです。

esports pressが選んだ2大ニュース

ここからは各社が選んだニュースを2つずつ発表していきます。まず、esports press編集部で上げたのが、こちらのニュース。

「EVO2019」鉄拳7部門にて、パキスタンの超新星「Arslan_Ash」優勝

2019年8月に開催された、世界最大の格闘ゲームイベント「EVO2019」の鉄拳7部門にて、パキスタンの新星「Arslan_Ash」選手が優勝したことが話題となりました。本大会ででは、鉄拳の世界最強プレイヤーとして名高い韓国の「Knee」選手を決勝で破り優勝。

Arslan_Ash選手は2019年2月に日本で開催された「EVO JAPAN 2019」にて突如現れたプレイヤーでありながら優勝を果たし、一躍話題の的となっていましたが、「EVO」での優勝により最強プレイヤーの座に名乗りを上げた形となりました。

クラウドゲームサービスに各社が参入

新たなゲームの楽しみ方として登場した「クラウドゲームサービス」に、様々な会社が参入することを発表しました。Googleの「Stadia」に始まり、Microsoftの「Project xCloud」やEAの「Project Atlas」など各社でクラウドゲームサービスが展開され始めています。

また「Amazon」や「任天堂」など数多くの企業が、クラウドゲームサービスへの関心を高めており、来年はクラウドゲームサービスにとって大変革の年となることが予想されます。

「ESPORTS侍NEWS」寿限無之信さんが選んだ2大ニュース

「ESPORTS侍NEWS」の寿限無之信さんが選んだニュースが、こちらの2つ。

【EVO2019】「ストリートファイターV AE」部門、ボンちゃん選手が優勝、そして「ドラゴンボールファイターズ」部門、GO1選手優勝

「EVO 2019 ストリートファイターV AE部門」にて、プロ格闘ゲーマーボンちゃん選手、ドラゴンボールファイターズ部門にて、GO1選手といった日本人選手が優勝を果たしました。世界中が注目する格闘ゲーム大会というもあり、日本人選手が2名も優勝を果たしたことは日本だけでなく世界で話題となりました。

「スマブラSP」が世界で最も売れた格闘ゲームに

Nintendo Switch向けの人気格闘ゲーム「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」が全世界累計売上1570万本を突破し、これまでの最高売上だった「ストリートファイターⅡ」(1500万本)を抜き、世界で最も売れた格闘ゲームとなりました。

格闘ゲームのトップとして「ストリートファイターⅡ」が挙げられてきたため、このニュースは格闘ゲームファンにとっては衝撃の内容だったといえるのではないでしょうか。

「SHIBUYA GAME」石川プロデューサーが選んだ2大ニュース

「SHIBUYA GAME」の石川プロデューサーが選んだ2つのニュースがこちら。

Twitch一強体制に変化の兆し?有名ストリーマーが続々流出

8月にストリーマー/プロゲーマーとして世界的な人気を誇る「Ninja」が 「Twitch」から「Mixer」への移籍を発表。そして、10月には同じく有名ストリーマーである「shroud」が「Twitch」から「Mixer」へ移籍。今まで配信プラットフォームとして一強とも言われていた、「Twitch」から有名ストリーマーが流出したことで、ライブストリーミング市場を大きく揺るがすこととなりました。

小中学生が将来なりたい職業に「esportsプレイヤー」が急浮上

ソニー生命保険が全国の中高生に対して行った「中高生が思い描く将来についての意識調査」というネットリサーチで、男子中学生が将来なりたい職業の2位に「プロesportsプレイヤー」がランクイン。上位に挙げられる「プロ野球選手」「サッカー選手」などスポーツ選手を抑えてのランクインとなり、若者の意識が変化していることが分かります。

調査元データの詳細はこちら

  • 中高生が思い描く将来についての意識調査2019
  • 番外編!各メディア個人的ニュース

    最後に番外編として、各メディアの個人的ニュースを発表します。

    esports press「祝!20万PV達成」

    esports pressでは、2019年の目標として掲げてきた20万PVを達成!この達成は一重に記事を見てくださった皆様のおかげです。本当にありがとうございます!これからも皆様が楽しむことが出来る記事を提供していきたいと思っていますので、よろしくお願いします!

    ESPORTS侍NEWS「寿限無之信 テレビ東京『電脳HUMAN』出演」

    ESPORTS侍NEWSの寿限無之信さんがテレビ東京で放映中の番組「電脳HUMAN」に出演しました!自身の過去から今後のesport業界に対する展望まで語った熱い回となりました。

    SHIBUYA GAME「2019年多くファンに惜しまれながらサイト閉鎖」

    2017年5月よりesportメディアとして第一線を走っていた「SHIBUYA GAME」が今年閉鎖。ニュース記事からインタビュー記事まで1700本に渡る記事で「esports」の情報を発信してきましたが、残念ながら今年度をもって更新停止することとなりました。

    最後に

    2019年は、「esports press」を見て知っていただきありがとうございました。我々自身、大会やイベント、ニュースなど様々な場面で「esports」に触れることが出来ました。そうした機会を通じて、皆さんにとって少しでも有益な情報やレポートをお届けできたなら、本当に嬉しく思います。

    来年も様々な形でみなさんに「esports」を知ってもらう、楽しんでもらうことが出来る記事や企画をお届けできればと思っておりますので、2020年も「esports press」をよろしくお願い致します!