2020年12月28日(土)に東京・お台場「Zepp DiverCity(TOKYO)」にて開催された格闘ゲームイベント「第9回TOPANGAチャリティーカップ」。一般参加可能なイベントでありながら、プロゲーマーから配信者、ゆるキャラまで多種多様な面々が参加するなど大盛況で幕を閉じました。

そんなイベントに参加していた中で、一躍注目を集めたチームが1つ。プロゲーミングチーム「Burning Core」所属の立川選手を筆頭に、同所属のかずのこ選手、プロ格闘ゲーマーの竹内ジョン選手、格闘ゲーマー兼配信者であるこくじんさん、そして超人気配信者である加藤純一さんといったメンバーが集まったチーム「ストリームモンスター」。

今回そんな「ストリームモンスター」の立川選手、かずのこ選手、加藤純一さんの3名に「TOPANGAチャリティーカップ」の感想から、プロゲーマー・配信者としての意識に関する部分までお話を聞くことができました。

かずのこ・加藤純一・立川

――今年のTOPANGAチャリティーカップいかがでしたか。

立川:そうですね。毎年お荷物2人がいるので。

全員:(笑)

立川:それを踏まえても面白かったですね。面白いのはありつつも、いつも良いところまで行って、相手に強い人が来て負けてしまうっていうのが現状なんで、次は更に強いメンバーを集めて臨みたいと思います。

――となると誰かがクビにされる予定なんでしょうか。

立川:一応、かずのこさんと竹内ジョン君ですね。

かずのこ:えーそうなんですか!

加藤純一:(実力が)上の2人から切られていくんだ。厳しい戦い。

立川:もっと強い人をね。プロの世界は厳しいので。

――クビにされてしまいましたが(笑)。かずのこ選手はチャリティーカップいかがでしたか。

かずのこ
かずのこ:まさかここでクビ宣告されるとは。チャリティーカップは加藤さんと組んだことがなかったですし、むしろ初対面だったので、そこがどうかなって感じでしたね。

格闘ゲーム好きというのは聞いていたんですけど、プロゲーマー目線からすると格闘ゲーム好きっていうと、ガチャガチャプレイだったり、好きといってもどのレベルのものなんだろうって思っていたんですけど、真面目にやっていないとできない動きをしていて、そういうところを見てモチベーションは上がりましたね。

――加藤さんが真面目に取り組んでいる姿を見て、勝ちたいという想いが強くなったと。

かずのこ:真面目に練習してくれているのが分かりますし、格ゲーが好きという理由だけでイベントを盛り上げようとしてくれたり、チームを鼓舞してくれたので、本当に加藤さんを中心に、チームのモチベーションが上がっていったのではないかなと思います。

加藤純一:ただ僕からすると、別の畑の人間がいきなり来て、悪いかなって気持ちがありましたね。(格ゲーが)好きだからこそ、そこを汚したくないって想いが凄く強くあるんですけど、TOPANGチャリティーカップって、本当に良いイベントだなって思いますね。ゲームが下手でも迎え入れてくれる温かさを感じますね。普通だったら僕と組んでもいいことないので。

絶対勝った方が目立つじゃないですか。ただ、そこに執着せずに一緒にやりましょうよ!って暖かく出迎えてくれる態勢を整えてもらっていたので、本当に楽しいですね。だから、自分が生きている間はずっと続いてほしいです。

ストリームモンスター

――TOPANGチャリティーカップは去年から出場されていますよね。

加藤純一:そうですね。(立川選手が)誘ってくれたので。

立川:去年僕が誘ったんですけど、最初誘ったとき「さすがに断られるだろうな」って思っていたんですよ。

加藤純一:俺はずっと待ってたんだよ、オファーを!

立川:そう、本当にラインの既読が早かったんですよ。誘ってから1分もしないうちに返信がきて、「やる、やる!」って(笑)。そこが始まりでしたね。

――加藤さん的には「やっと来た」といった感じでしょうか。

加藤純一:まさにそうですね。やっぱりずっと見てきてたので憧れはありましたね。

――ちなみにお2人はどういった繋がりでお知り合いになったのでしょうか。

加藤純一:最初は2017年のEVOですね。僕が記念に参加したときに、空港でいきなり話しかけられて。

立川:羽田の空港でしたね。ただただ僕はファンだったので話しかけました。

加藤純一:いきなり「あっ、加藤さんですよね!」みたいな感じで来られたので、めちゃくちゃ失礼な奴だなと思いましたね(笑)。

加藤純一:最初は変な人に声かけられちゃったなって感じでシカトしてたんですけど、あまりにも懐に入ってきて、今までそんな若者はいなかったので才能だなと思いましたね。懐に入るのが凄くうまいので、先輩に可愛がられるのも分かりますし、今は僕も大好きですね。

――メンバーの選定基準はあったのでしょうか。

立川:今回に関しては、面白そうなメンバーを集めた感じですね。前回は歌広場さんがいて、もう一人がナウマン選手だったんですけど、ナウマン選手に関しては、加藤さんのファンだったので連れてきたって形でした。

ただ、今回は勝ちたかったので、同じチームに所属しているかずのこさんを呼んで、もう一人をずっと探していたんですけど、たまたま仕事に空きが出たジョン君を誘ったって感じですかね。最初、「えーそれ面白いの?」って断られたんです。

竹内ジョン
竹内ジョン選手

――かずのこ選手は、メンバーに選ばれてどうでしたか。

かずのこ:最初はやっぱ加藤さんのスタンスが分からなかったので、どうかなって思ったところもありましたね。ゲーム好きって言っときながら実はゲームやってないみたいな人も少なからずいると思うんですけど、プレイをみたらやっているのがすぐに分かったので、そこを見て選ばれてよかったなと感じました。

なおかつ、有名な方であるにも関わらず「自分は格ゲーが好きなだけで、イベントを楽しみたいだけだから」って形で、凄く低姿勢かつ、真面目なスタンスで練習をされていたので、素晴らしい人だなと思いました。

――全体練習は、かなりされたのでしょうか。

立川:プロ組はもちろん練習もしていましたし、こくじんさんもめちゃくちゃ練習していて、加藤さんも忙しいなりに練習をしてくれていましたね。全体練習は配信で行ったときの1回ですかね。次の日もプロ組は練習していたんですけど、加藤さんとこくじんさんはパチンコに行ったらしく…。

加藤純一:まあ息抜きも大事なんで(笑)。

かずのこ:ただ、そっちのスタンスの方が楽ですよね。「絶対に勝つぞ!」って感じで、こくじんさんや加藤さんに来られちゃうと、そこに応えないとって僕たちが固くなってしまうので。

加藤純一:でもやっぱりプロゲーマーの皆さんはプレッシャーだったんじゃないんですかね。僕らは負けても記念になりますけど、イベントであっても負けたくはないですもんね?

かずのこ:負けたくはないですね。

加藤純一:だから、そういうのを背負いながらプレイするのはかっこいいなって見てて思いましたね。あとチーム戦なので、個人より違うプレッシャーがあると思うんですよ。

個人で負けた場合は次頑張ろうってなると思うんですけど、チーム戦で負けると、みんなに申し訳ないなって気持ちになってしまう所もあると思いますし、プロ組は大将で出てくるので、そこのプレッシャーはあるだろうなって思いながら、僕はノンプレッシャーで応援しながら見ていましたね。

――配信台では立川選手が5人抜きをする場面も見られましたが、いかがでしたか。

立川

立川:あれは運がよかっただけですね。年間で別のゲームをメインでやらせてもらってまして、「TOPANGAチャリティーカップ」前に「ストV」をやり込んだ感じです。それでも全然でしたけどね。そこまで仕上がってはいなかったんですけど、気合と勝ちたさでなんとかしたって感じです。

――その姿を見て、何を感じましたか。

加藤純一:プロゲーマーが一般参加者の方と当たって、やっぱりそこは周りの観衆からしても、勝って当たり前って感じの空気だったと思うんですよ。そんな中で、少しでも押される場面が出てくると嫌な空気が流れてくるので、そこはしんどいだろうなって思いましたね。

もちろん、一発勝負だったら負けるときもあるじゃないですか。その中で5連勝するっていうのは、運が良かったって言ってましたけど、おちゃらけて見えて日ごろから物凄い練習をしてるんだろうなっていうのが目に見えて分かりましたね。あの場面で勝つっていうのは本当に凄いことだと思いました。

かずのこ:(加藤さんは)もう完全にゲーマー目線なんですよ。

――ちなみに加藤さんも今回待望の1勝をされたと思うんですけど、いかがでしたか。

立川:めっちゃ面白かったですね。

加藤純一

立川:本当に最高でした!自分の5連勝なんかよりもよっぽど嬉しかったですよ。「キター!」って思いましたね。

かずのこ:自分以外の人が勝って、こんなに嬉しいことがあるんだって思うぐらい謎の感動がありましたね。もうハイタッチするのを忘れるぐらいでしたね。

――その相手、実は弊社の社員だったんですよ(笑)。

立川:えっ、そうなんですか!

加藤純一:彼、なかなかやりますね。

加藤純一:2人とも緊張して全然技出てなくて。また来年、手合わせ願いたいところですね。

――練習以外で何かされたことはありましたか。

かずのこ:練習後にご飯を食べに行ったぐらいです。

――そういった場ではどのような会話をされるのでしょうか。

立川:基本は配信だったり活動の話メインですかね。

加藤純一:あとは、明日頑張ろうねみたいな感じで。

立川:「竹内ジョン君がサイコパスだ。」っていうくだらない話をしたりしていましたね。

加藤純一:ジョン君は本当にサイコパスだね。いい意味で(笑)。

――ちなみに加藤さんから見た、かずのこ選手の印象はどうでしょうか。

かずのこ・加藤純一

加藤純一:昔から知ってはいて。配信等も見させてもらって、凄い真面目で冷静なイメージを持ってたんですけど、実際に会ってみたら内に宿る魂がめちゃめちゃ熱い人なんだなって感じましたね。

さっきもかずのこさんに勝ちたくて、僕がずっとやってたゲームを一緒にプレイしたんですけど、遊びとはいえゲームに取り組むときの目が「絶対負けないぞ!」って感じで。だからこそ第一線で活躍し続けられてるんだなって思いましたね。プロゲーマーとして模範となる人だなって。プロゲーマーの鏡ですね。これからも応援します。

かずのこ:来て良かったです。

立川:かずのこさんは、僕の中でも1、2を争うレベルで尊敬しているプロゲーマーなんですけど、かずのこさんが前のチームを辞めた瞬間「さすがに取ったほうがいいです。」ってオーナーに推しました。

――かずのこ選手としても今のチームに入ってよかったなって思いますか。

かずのこ:思いますね。チームの雰囲気が良くて、自由ですし、選手のためになることだったら惜しまず取り入れてくれるので、実力が出しやすいです。プレッシャーをかけることなく、長期的に見てくれているのでありがたいですね。

――加藤さんはお二方のチームの話を聞いていかがでしたか。

加藤純一:プロゲーマーって、チームの方がプレッシャーをかけてこないとはいっても、周りからの期待だったり、勝たなければならないっていうプレッシャーだったり、背負ってるものが大きすぎるんですよね。僕はそれを背負えないです。なので、僕は一ファンとして2人のことを応援してます。

――去年、今年とTOPANGAチャリティーカップに出場しましたが、やはり反響はありましたか。

立川:去年Twitterで、「このチームで出ます」って投稿したときより、今年の方が反響が大きかったんですよ。そこからやっぱり続けて出ることが大事なんだなって思いましたね。次回は更に反響があると思います。

立川

かずのこ:会場を歩いていて、サインをお願いされたりするんですけど、加藤さんは僕の3倍くらい多かったですね。試合後とかに「実はファンでした」みたいな形で声をかけられていて驚きました。

加藤純一:いやいや、たまたまです。ただ、サインといっても恰好がつかないじゃないですか。あの会場で僕が2番目に弱くて、会社の方が1番弱かったと思うんですけど(笑)、勝ってからサインするなら格好もつきますけど、負けてからサインだとなんとなく気まずい感じになっちゃうじゃないですか。僕を知っている方が気を遣って声をかけてくださったとは思うんですけどね。

――その姿を見て、かなり驚いたと。

かずのこ:そうですね。ファンとの交流で、ゲームの内容について話をしていたりしていて、加藤さん自身がゲーマーとして見られているっていうのを感じました。

実際話す内容がゲーマーで、やっていないと出てこないような話をされていたので、そこは周りも分かっているんだなって思いました。本当に加藤さんが格闘ゲームが好きだからこそ、声をかけられていたんだなって思いましたね。

――加藤さんも、そこは感じた部分があるのでしょうか。

加藤純一:僕は本業と言いますか、他のゲームをメインでやらせてもらっていて、本当は格闘ゲームをもっとやりたいって思うこともあるんですけど、どうしても格ゲーって一般的なタイトルに比べるとニッチな層に限られて来てしまう所があるんですよね。今の自分の立場上、それはできないので息抜きとしてプレイする形になっていますね。

ただ、ジャンル的には一番好きなんですよ、若い時にずっと夢中でプレイしていたので。だからこそ、2人以外にもプロゲーマーの配信を物凄い沢山みていましたし、そういう方に比べたら僕なんてゲーマーなんていっちゃいけないぐらいに思ってますね。

――ただやっぱりサインを求められるのは嬉しいものでしょうか。

加藤純一:そりゃあ、ないがしろにされたり、けなされたりするよりは全然嬉しいですね(笑)。

かずのこ:でも、格ゲーマーから声を掛けられて、かなりびっくりしていましたよね?

加藤純一:そうですね。僕としてはあんまり邪魔しちゃ悪いなって思っていて、申し訳なさそうな顔で会場にいたんですけど、こうして温かく声をかけていただいて、自分も普通に楽しんでいいんだなって気持ちになりましたね。

――TOPANGAチャリティーカップは来年も出るのは確定でしょうか。

立川:来年はもうメンバーも決定してます。

かずのこ:えっ、知らなかった!

立川:打ち上げの時に決まったんですよ。かずのこさんは来てないからダメです。

――ちなみにそのメンバーとは。

立川:僕と加藤さんと、こくじんさん、梅原大吾さん、マゴさんですね。

加藤純一:いやいや勝手に言ってるだけでしょ、出てくれないって!

立川:いや僕がなんとかします。お酒の場で誘います。梅原さんとマゴさんを絶対に誘います。

かずのこ:じゃあ僕はアンチ加藤チームを結成します。

かずのこ・加藤純一・立川

全員:(笑)

加藤純一:それ面白いですね!去年一緒に戦ったチームと対戦するって。めちゃくちゃ戦いたいですもん。

かずのこ:チーム名は「加藤純一を許すな」で。

加藤純一:それは熱いなあ、配信台とかでやりたい。