2019年11月9日(土)から10日(日)にかけて、愛知県・Sky Expoで開催された、レインボーシックスシージの世界大会「プロリーグ シーズン10ファイナル in Japan」。

本大会会場にて、現在レインボーシックスシージのゲームデザイナーとしてとして活躍しているEmilien Lomet氏に、お話を伺うことができました。

――まず初めに、簡単に自己紹介をお願いします。

Emilien:私はEmilien Lometです、Meloとも呼ばれています。レインボーシックスシージのゲームデザインをしています。新オペレーターの開発現場では、オペレーターの特性を単独でどう活かすか、また既存のオペレーターとどう組み合わせて使うべきか考えています。ゲームバランスの分野にも携わっています。

――今回登場する新オペレーターを開発するにあたっての経緯を教えてください。

Emilien:新オペレーターWamaiはJager、KaliはThatcherの代わりとなり、現段階のメタを変えることを見越したオペレーターとなっています。

またプロリーグやランクではピック&バンが導入され、JagerとThatcherが使えない状況でも代わりとなり、プレイヤーに多くの選択肢を持ってもらいたいという願いもあります。

――将来的には、オペレーター数を100人以上にしたいとおっしゃっていましたが、現段階で出来上がっているオペレーター数はどれほどいますか。

Emilien:現段階では、2~3シーズン先のオペレーターまでは考えています。今回の2人を開発する際、いきなりWamaiとKaliがパッと浮かんだわけではなく、試作で10人ほどオペレーターを作り、今の環境で刺さるであろうガジェットを持ったこの2人が今回採用されました。

また、今回選ばれなかったオペレーターたちは、後のシーズンに登場する可能性もあるので、そこもお楽しみにしてもらえるといいですね!

――この質問はプレイヤーのみなさんが知りたがってることですが、タチャンカのリワークについて言及できることはありますか。

Emilien:あ~それは、まだ秘密ですね!(笑)もちろんタチャンカは修正しなければいけないのは把握しているのですが、彼がシージコミュニティーで広く知れ渡り人気のあるオペレーターであると共に、今でもガジェットがバグを引き起こすことがある故に、彼をいじるのは少し困難です。

間違いなくタチャンカのリワークは進行しているので、発表があるまで待っていて欲しいです。

――オペレーター調整に関わっていると伺いましたが、どのような情報を頼りに調整を行っていますか。

Emilien:それについては、ゲームをプレイしているみんなのオペレーターピックのデータとともに、私たちゲームデザイナーがこうあってほしいという願いのもと行われています。

ピック&バンのおかげでより焦点を当てやすくなったこともありますし、私は一日中RedditやTwitterで情報を拾っていることもありますしね。またG2のPengu選手や、Macie jay氏のようなゲームに精通している人からの声にも耳を傾けています。

――チーターやDDosについての質問ですがこれからどのように対策していこうと考えていますか。Apex LegendsのようにIPバンなどの処置は今後行われますか。

Emilien:まずDDosについては、私たちにとって全く新しいことで、今は様々な観点から解決策を模索しています。一つは、数学的な観点から本物の発信源を探していて、これについては違うIPから攻撃していることもあるので、正確性をかなり求められます。

その先駆けにまず以前行った一斉バンがあります。これは一旦ゲームの秩序を保つために行ったもので、今はその中から本物を探しているところです。これ以上情報は詳しく話しすぎるのも良くないから、ここまでにしておきます。(笑)

二つ目、チーターのバンについて。APEXのようにIPバンやハードウェアバンを行っていない理由は、VPNを使えば簡単に身を隠せてしまうこともあります。もう一つは、もし仮にあなたを含め100人が大学のネットからシージをプレイしていたとしましょう。
そこの中に1人チーターがいたときにそこのネットのIPをバンした場合に残りの99人もバンしてしまう可能性があります。そのためやみくもにIPバンを行えないですね。

もちろんIPを頼りに、同じIPから接続があった場合にはしっかり目をつけています。

――先ほどの質問に関連して、アジアの二段階認証はいつ頃実施する予定ですか。

Emilien:それは、良い質問ですね。ほかの国で先行して二段階認証を行ったのは、その国の外からアクセスが頻発していたが為ですね。

アジアももちろんこの問題に直面しているのは把握しています。いつということに関しては、私自身は答えを持っていないので、テクニカルチームに聞いてみないとわからないのですが、ゲームの秩序を保つために間違いなく実施します。

――オペレータースキンについてですが、時折視認性に欠けることがありますがこの問題についてはいかがでしょうか。

Emilien:ヴィラとエンバーライズの組み合わせについてですよね。(笑)これは、予想外のところを突かれた感じです。私自身は、スキンの開発には携わっていないけれど、一つ言えることは、開発する上で全マップのことを考慮して作っていない為、このような問題が発生していることです。

競技シーンでは、スキンのバンがありますが、ゲームを楽しむみなさんの視点に立つと、課金して手に入れたスキンがもしランクで使えないなんてことがあってはならないので、そこについては考えなければいけないですね。今後は、スキン開発チームが本当に見えないスキンを作ってしまわないか目を張っておきます。(笑)

取材・文/ GuNBoY.