2021年4月11日(日)、人気MOBAゲーム「League of Legends」の日本公式リーグ・LJL決勝戦「LJL 2021 Spring Split Finals」が開催され、DetonatioN FocusMe(以下、DFM)がV3 Esports(以下、V3)をゲームスコア3-1で破り、LJL優勝を果たしました。DFMのLJL優勝は20年春以来、1年ぶり8度目。

決勝戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、無観客開催となったものの、Twitchなど配信サイト上で多くのファンが声援を送りました。

League of Legends(LoL)とは

 2009 年10 月のサービスを開始以来、世界中で人気を集めているオンラインゲーム。2016 年9 月時点で月間アクティブプレイヤーが1億人を突破しています。マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(通称MOBA)と呼ばれる5人対5人の対戦型PC ゲームで、プレイヤーが操作する「チャンピオン」と呼ばれるキャラクターで相手本陣の攻略を競い合います。

esportsの代名詞と称されるゲームで、世界各地でプロリーグが開催されています。毎年行われるEsportsの世界的祭典「League of Legends WorldChampionship(WCS)」では視聴者数9,960 万人を記録。多彩なキャラクターや映像、音楽などの評価も高く、コスプレやファンアートといったコミュニティ活動も数多くで行われています。

LJL(日本リーグ)

「League of Legends Japan League(LJL)」は、PC オンラインゲーム「League of Legends」の日本公式プロリーグです。

LJL 2021 Spring Splitは、全8チームによるレギュラーシーズンを開催。対戦形式は「Bo1」(Best of 1・1試合を先取したチームの勝利)、「ダブルラウンドロビン」(全チームによる総当たりを2回実施)です。

その後、実施されるレギュラーシーズン上位6チームによるPlayoffsによって優勝したチームは、LoL世界大会(MSI 2020)に日本代表として出場することができます。

「LJL 2021 Spring Split」出場チーム

DetonatioN FocusMe(DFM)

LJL有数の強豪チーム・DetonatioN FocusMe。世界大会である「Worlds 2018」では、LJLチームとして初となるプレイインノックアウトステージへ進出、「MSI 2019」ではLJLチームの最高記録となる4勝2敗という戦績を残すなど、LJLのトップチームとしての地位を確立しています。

5連覇を賭けて臨んだ昨季は、決勝でV3相手にまさかの敗戦。久々の世界大会未出場のシーズンとなりました。王座奪還に向け、今季はMIDにCGAからAria選手を獲得、SUPにKazu選手を復帰させるなど、大幅なロースター変更を敢行。レギュラーシーズンを12勝2敗と圧倒的な成績で通過すると、プレイオフでもRJ相手に快勝、決勝戦に駒を進めました。

V3 Esports(V3)

昨季の優勝チーム・V3 Esports。昨季大活躍を見せたBugi選手退団の影響は大きく、レギュラーシーズン4位と苦しいシーズンとなったものの、新加入のCogcog選手を中心に尻上がりに調子を上げ、プレイオフではSHG・SG相手に快勝。3年連続の決勝進出を決めました。

「Worlds 2020」の雪辱へ、MSI出場権獲得に向け、絶対に負けられない戦いに臨みます。

「リポビタンD Presents LJL 2021 Spring Split ALL PRO TEAM」

決勝戦に先立ち、各ロール毎の最優秀選手に贈られる「ALL PRO TEAM」賞の授賞式が行われ、5選手が選出されました。内3選手がDFMからの選出と、今季のDFMの強さを裏付ける結果となりました。

各ロール受賞者は以下の通り。

「リポビタンD Presents LJL 2021 Spring Split ALL PRO TEAM」(敬称略)

・TOP Evi(DFM)
・JNG Steal(DFM)
・MID Aria(DFM)
・ADC Ssol(RJ)
・SUP Secret(RJ)

「LJL 2021 Spring Split Finals」試合レポート

6チームによるプレイオフを勝ち抜き、決勝に駒を進めたのはV3とDFMの2チーム。レギュラーシーズンでの直接対決では、DFMが2戦2勝と力の差を見せた一方、V3はプレイオフで2チーム(SG・SHG)を破るなど、シーズン終盤にかけて尻上がりに調子を上げ、決勝進出。昨季決勝と同一カードでの対決とあって、DFMが1年ぶりの優勝を果たすのか、V3がチーム初となる2連覇を成し遂げるのか、高い注目が集まる一戦となりました。

※キャスター陣による勝利予想。下馬評ではDFMがやや優勢か

 

※両チームの主要スタッツ。今季のDFMの強さが際立つ内容に。

「個の力」 シリーズの主導権はDFMが握る

Game1は、両チームが力と力でぶつかり合う展開となります。TOPではEvi選手が今季好調のCogcog選手をソロキルする一方、BOTではV3がMoojin選手のガンクを生かして有利を広げます。試合が大きく動いたのは16分、ドラゴンファイトに向け集まったV3の面々にKazu選手が果敢にエンゲージ。3人を巻き込む形となり、DFMが次々にキル・大きな有利を獲得しました。

一進一退の攻防が続く中、試合時間24分には孤立したKazu選手を追うV3にDFMが一転攻勢を見せ、4キルを獲得、勢いそのままにネクサスを破壊し、重要な初戦に勝利しました。序盤のエンゲージに加え、代名詞の「カズベイト」を決めるなど、Kazu選手が存在感を見せる試合となりました。

Game2、絶対に負けられないV3が終始試合のテンポを握り続けます。DFMがカサディン・トリスターナとレイトゲームに寄せた構成を選択したこともあり、試合序盤からガンク・タワーダイブを決め、15分で5000ゴールドの有利を作り出しました。Aria選手のカサディンは順調にファームを進めたものの、V3のスノーボールの前には為す術なし、V3が序盤からの有利を手放すことなく勝利し、1勝1敗のイーブンに持ち込みました。

【Game2 B/P】

王座奪還!DFMが8度目のLJL制覇

Game3にDFMが勝利し、迎えたGame4。DFMはKazu選手のセト、Steal選手のヘカリムのピックに加え、今シリーズで初ピックとなるチョ=ガス・セラフィーンを選択します。

このゲーム最大の山場となったのは、10分のヘラルドファイトでした。最序盤のレーニングの有利から、Kazu選手を寄せたDFMがポジション有利を得ると、ヘラルドファイトで2キル&ヘラルドを獲得。一気に試合の主導権を握ると、続くドラゴンファイトでも立て続けに勝利を収め、ゴールド差は決定的な差に。バロン・インヒビターと順々にオブジェクトを獲得したDFMが26分、ネクサスを破壊し勝利、見事LJL優勝を決めました。

戦いの場はアイスランドに、悲願の国際戦本戦出場へ

「LJL 2021 Spring Split」を制したDFMは、5月6日よりアイスランド・レイキャビクで行われるLoL国際大会「MSI 2021」への出場が決定しました。抽選の結果、LJL代表はグループCでの出場となり、LCK代表・DK、LCS代表・C9、LLA代表・INFとの対戦が予定されています。

LJLの悲願である国際戦本戦出場を果たすことが出来るのか、DFMの戦いに注目が集まります。